告白#6

shinka2006-05-07


僕は夢を信じる。
夢の中に出てくる僕は現実の僕良りも頭が良くて、そして正直だ。
夢の中で僕は宿の居間で数人の友人たちと飲んでいた。
ふと気付くと横にはあまり好意的ではないTが座っていた。
参ったなと思いながら、暫らく大人しく飲んでいると
普段活発ではないTがえらく上機嫌で割り箸を鼻に刺して何やら早口の喋っている。
その姿があまりに可愛らしくて僕は一変にTの印象が良くなった。
するとその瞬間に僕は全てを理解した。
僕がTに対して好意的ではなかったのは、Tが悪いのではなく僕が意識的にTから離れようとした結果であり、本当はとても好きなタイプの人間であることに気付いたのだ。
Tを意識的に除外したのは、Tが自分の似ている人間であるからだと思う。
そして、そうしなければ何か悪いことが起きそうでそうのようにしたのだろう。
人というのは自分で自分に嘘をつく。
僕はそれを夢の自分から教わった。