姿見

大阪駅の目の前にあるネットカフェに来ている。
目的は暇つぶしだ。一時間半ほど潰さなくてはならない。
何故か。
今日は大学の卒業式らしく、そのため部活の飲み会が梅田でありその開始まで時間があるのだ。
一応バイトを入れたが、それは六時まで。飲み会は八時開始。
二時間、この大都会で何をすればいいのというのだ。
柄にもなく私の目の前にはガラスがあり、その前を帰宅を急ぐ社会人達が歩いている。
あちらは暗く、こちらは明るい。
つまり私はデイスプレーされているのだ、柄にもなく。



この時期になるとオフィス街を歩けば大量の就職活動の学生を見る。
上から下まで黒尽くめ。全く吐き気がする。
現在、私も就活生であるが未だ一度もスーツを着ていない。
できる事ならばそんな事は避けて通りたいが、それは土台無理な話だろう。
君はあの就活生の集団を見たことがあるだろうか。いや、群れと言ってもいい。
それはそれはムカつく光景だ。何が嫌かってその外見と中身の差異が気に食わないのだ。
なるべくソツのない格好をしようと心掛けながらも、腹の中では自分が!という気持ちが見える。そのズレがなんだか理由のない嫌気を起こすのだ。
近く自分も確実その集団の中に入らなければならないと思うと心底複雑だ。
しかし、ながら彼らは全くもって悪くない。悪いのはそう思っている私だろう。
その理不尽さは満開の桜に対して、中指を立てるほど滑稽で無意味だ。
けれども去年あの集団を初めて目撃したとき私は本当に吐き気がしたのだ。
それだけは事実だ。

今日は何の脈絡もない話を続けているな。