『黄金の七人 マルコ・ヴィカリオ監督作品』

shinka2005-03-09

大阪に来て、驚いたことの一つに深夜の映画番組が多いことである。例えば扇町映画館だとかアジアンナントカとかがそれである。もうほとんど毎日と言っていいほどやっている。
深夜の映画というのはある意味で、もっとも贅沢で素敵な映画の見方の一つであると思う。例えば深夜の映画は大体二時から始まって四時に終わる。その時間というのは往々にして一人であるし、また街も人も静かに眠っている。その異空間のなかで、映画というもう一つの世界に介入するというのは表面的にも正しいし、また実際にも観客が自己投影しやすいともう。その静けさはホラーの不気味さを演出し、その無表情な時間はファンタジーの世界を実現させる。また深夜の映画であると、ほとんどテレビに対して一直線の視線を投げかけられるし、また逆に興奮も感動もないタンタンとした映画もBGMを楽しむかの如く鑑賞できる。
深夜の映画とはまさに自分だけの空間であり、またその映画世界を自分の部屋一杯に広げてくれる素敵なものである。

さて、昨日(深夜なので実際的には今日であるがあの時間帯になるともうどうでもよくなるというか時空列に並べられないが)の映画はシネマチューズデイという番組の紹介の『黄金の七人(イタリア)』ですが、これがもう文句なしにおもしろい!死ぬまでには見といたほうが良い映画の一本です。イタリアのお洒落〜な音楽とデザインを背景に全く無駄のない構成でテンポ良く話は進んでゆき、ラストの落ちも粋というか素敵というかとにかう良かったです。僕はフランス映画などのお洒落の意味不明な映画はすぐに寝てしまうのですが、この映画はお洒落だけでなく良く出来ていてまさに“エレガント泥棒エンターテイネントの金字塔”であることは間違いないです。なんでもこの映画は−なかでも妖艶な女役−はあのルパン三世のモデル−つまりは峰不二子−となったそれらしいんですよね。そういった意味合いも含めて、奥さん・お勧めの一品です!