京都で会いましょう

shinka2005-01-28

  • 午前中

朝六時起床。この日最後のテストが一限にあるため早く起きる。テストは持ち込みありなので余裕で登校。大学前の駅で昨日の失敗を二度と繰り返さないように予定表を見直す。さすが人間、学習能力がある。が、しかしだ。次の瞬間駅構内に衝撃が走る。「あっ〜!!」という大声が響き渡ったのだ。以外にもその声を発したのは自分だった。それでは何故私は大声を上げたのか。
試験時間を間違えたのだ。
そう、一昨日の失敗を又しても。何が人間だ、学習能力の欠片もない。しかし、今回は実際の試験のほうが遅いのでそう悲願することではない。問題は今日の午後からバイトに入っていることだった。試験に出ていてはバイトに出れない。バイトを取るか、単位を取るか。。駅で三十分悩んだあげく、今日バイトにいているはずの後輩に連絡、なんとかバイトを休むことを伝えてもらう。ドタキャンすると印象が悪くなるが仕方がない。

  • 午後

試験を楽勝でクリアーし、すぐに京都・河原町に電車で行く。住んでいるところから一時間弱で京都にいけるというのは魅力的だ。今日はなんか良くわからないフランス人が撮った自主映画上映会のイベントに参加するためにここに来た。開始までに時間があったのでブラブラと駅近辺を歩く。ここは京都といってもかなりの都会でビル郡とコンクリートジャングルに覆われていて、どこそことあまり変わらない。しかし、所々の土産店や神社、川のほうまで行くと眺めも良くそこはかとなく京都を感じさせる。疲れたのでちょっこし有名な喫茶店・みゅ〜ずに入る。ケーキセットは意外と高かった。六時頃ツレ合流してイベント会場に向かう。河原町の新京極あたりをどんどん入ってゆく。ここは外からの印象と違って意外と新しく、お店は若者向けの服や靴屋ばかり。ていうかそれしかない印象。今度友達とも来てみよう。
空は群青色のその色味を濃くしてゆき、確実に夜になっていった。街灯がともり、あたりが幻想的な空気を増してゆく。京都の夜っていうのはどうしてこんなににもいやらしいのだろうか。イベント会場に到着。時間まで少しあったのでご飯を食べに三条のほうまで歩くが良い店がなく結局引き返してイベント会場手前の今風のお店でパスタを食べる。出汁に煮干ぽい味がして変わったトマトベースのパスタだった。
七時、受付開始でイベント会場であるギャラリービルに入ってゆく。途中受付を間違えた。ビルの手前に出されたら誰でも間違える。地下に入ってゆきその上映環境に驚かせる。なってない。スクリーンは建物に対して斜めに配置しており、そのため柱が邪魔して真正面からは見れない。席も通常のカフェ(普段はカフェをやっている店でのイベント)の配置になっており、醜い。音響だけはなんだか色々と凝っていた。この時点で若干テンションは落ちてきている。席に座り談笑していると続々と客が入ってきた。次に入ってきたおばさんはテレビで良く見るおばさんで(その時は名前が浮かばなかったが、今調べてみると絵沢萠子さんだった)軽く興奮した。かなり有名な女優さんなのだが、一人来ていてぱっと見普通のおばちゃんだった。なんで来てたんだと思ったが映画が始まるとちゃかっし出演なさっていた。さて、話を戻してその絵沢さんの後から入ってくる客というのが外人・外人・外人ばっか。しかも国もバラバラらしく映画やらフランス語やらドイツだかオランダ後みたいな言語が飛び交う。超こぇ〜。会場の空気は外人特有のアットホームな感じになり、この時点でテンションはどん底でビクビクしていた。一人出来ていたらどうなっていたことか。。。監督も途中から来てハグを連発する。あまりの回数に俺も行って来てやろうかと思ったが、そんな甲斐性もない。入場開始後一時間半ぐらいしてやっと会場の照明が暗くなる。始まるかなと思ったら、そここから二十分ぐらいずーとそのまんま、なんかトラぶったらしい。そう思っているとスクリーンがいきなりブルーバックに変わった。もう、なんかテンションとかの問題ではなく若干腹だだしくなってきた。こんなの部活の上映会でやったら大変なことであるし、起こっても途中でお詫びのアナウンスを入れる。今日のミスは一回ですとか言いながら反省会をする彼らの姿勢の前では、この上映会はなんたることか。四十分ぐらいしてやっと映画が始まる。始まり方もあっ!写ったって感じで、なんの予兆もなく始まった。まるで友達んちでビデヲ見てる気持ちだ。

  • タイトル不明の映画について

この映画について批評だとか感想というものはあるのだろうか。というか求められているのだろうか。だって明らかに“映画とっちゃいました”という感じが出ていて、そういう記念的作品は普通“良かった、良かった”ってパチパチしておしまいだから、これもそんな風じゃないかな。内容は自主映画中の自主映画。ストーリーもまぁこんなもんでしょって感じで特に目立った点もない。途中展開が停滞するのだが、そこではやはりこっくりこっくりと眠ってしまった。起きたら話が急に展開して変なマリオみたいな外人が売れない音楽家の主人公をつれてっちゃった。ここはまんまそうで笑ってしまった。テロップがフランス人監督ということでフランス語なのだが次のその意味が日本語(ゴッシク体)で出てきて、まんま“外人が読むような本の字”で“アメリカ”とか“ろうそく”や“外国”とかでてきてそこも笑える。ここら辺でそろそろ褒めよう。役者はよかった。主人公の男の人はかっこいい人で、スクリーンに映っているだけで何かをいいたげな雰囲気を出し映画的だった。ヒロインも女性もそうで確かな存在感がある。絵沢萠子さんにいたてはもう凄い。見ているときは本当に女優さんかどうか判断できなかったけど、それでも演技のレベルの違い、存在感などは素人目でもわかる。描写としては“手”の移し方が素晴らしかった。人の手というものはこんなににも表現力があり、綺麗なものだたのかと驚かされた。あと有り勝ちな手法だけど、普段日常生活でのなんでもない行動が映画のなかでは重複して使用されて意味を帯びるというヤツは個人的に好きなのでそれは気に入った。特に主人公がいつもアコーディオンを運び際に響く音、最後その音によって主人公が帰ってきたとわかる演出はありきたりだが良かった。


上映終了後には大きな拍手が起きた。・・・ほらね。
スクリーンがどかされるとバント準備をし始めた。その脇で監督が挨拶を始めたのだが、そこで発した言葉は今回の上映までに時間がかかったことと上映方法によて完全なヤツは見せられなかったことのお詫びだった。憤慨だ。そんな事は言う事ではないし、気付いていたのならば何故そうしなかったのか。第一上映方法がパソコンとプロジェクターをつなぐ方法というのは気に食わない。贅沢を言えば映写機で見たかったし、他とえテレシネしてノンリニア編集をするにしても一回テープなどに落としてほしかった。そうすれば上映ミスも少なくなるし、個人的にはそれは作品と思えずパソコンの中に入っているデータと思えてしまう。
それが終わると、映画の主人公が劇中演奏していたアコーディオンを生で演奏し始めた。なんて贅沢。それが終わると今度は監督がそのアコーディオンをバックになんと歌い始めた!なんでもありだな、この人。

そんな中、来ていた部活の先輩に人を紹介された。一人は、うちの部活と交流が深い方で監督のコーディネーターでもあり、わが大学の先生でもある。もう一人も今年からうちの大学に赴任してきた方で授業ではフランス映画などの講義を持っている方だ。どちらも話には聞いていた方々なので感激である。そこでの会話は楽しかった。最初はこの映画の感想とか、監督の事、中盤になると去年の部活動の上映会の感想、最後は後者の方とローカルネタと大阪の偏見(僕も彼も関西人ではないので)について話した。
最初の監督の話は、やはり監督は映画のことは良くわかってはいなく、フィルムなのに夜のシーンは多いなどとスタッフを困らしていたらしい。しかし、逆に言えばそんな注文でも動くスタッフというのは、監督に対して信頼とか思いがなきと出来ず、すこし羨ましい気持ちになる。中盤の上映会での話では、前者の方が先輩の監督のえらいファンでその話ばかりしていた。確かに彼女は素晴らしい。技術とかテクニック以前に、色があり映画がある意味完成している。これはもう才能だと思う。ついでに私の作品の感想も頂き、両方から褒めていただいて大変うれしかた。

まぁそうな感じでしたマル。