隣町の変態村

余談だが、この日となりのスクリーンでは『変態村』が上映されており
ホールを埋め尽くすほとんどの客がそちら目当てで待っていた。
しかし、この映画が何故これほどまでに動員数があるのかわからず、
店員に聞いてみると、どうやら今日で最終日らしくそれで客が多いらしい。
なるほど、と思って再度そちらのほうに注目してみると何だか奇妙な感じがしてきた。

「変態村をお待ちの方は一列にお並び下さい」

「すみません、変態村のパンフレット一枚・・・」

「変態村はこっちですか?」

「9:00開始の変態村、大人一枚ですね?」

変態村を待つ多くの人達。・・・異様な光景だ。
すると店員がそんな僕の態度を知ってか、知らずか
「変態村に変えますか?」と意味深な笑顔で尋ねてきた。
何故、おまえは僕を変態村に招待する!?
少しだけ、ほんの少しだけ魅力的なお誘いだったが、僕はノーマルだと思い
大人しく『LAST DAYS』を見た。