『サマー・タイムマシン・ブルース』

shinka2005-09-13

  • チケットはリモコン!?映画価格にチョット待てっ!!

噂で聞いた、このネタ。『サマ〜』にエヤコンのリモコンを持ってゆけば、千円で見れると言う話。
それを確かめるべく、六時の回に行こうと目論んでいたら、バイトで残業させられ気がついたら六時の回は終了。しょうがない、と喫茶店で時間を潰す。
次は八時の回に映画館に行くとレイト・ショーなので1200円との事。とんだサービスに心奪忘れてしまいそうになるが、頑張るぞ!この家から持ってきたリモコンを差し出す。とても恥ずかしかったが、おもしろさが勝った。
初め、キョトンとする店員。やはりデマだったのか!!くそー赤面だぜ!
と思いきや「あっはい、千円です。」だって。マジかよーいいの?いやーシネ・リーブルさんも中々憎い演出。こうなってくると今まで映画を1500円で見てたのがアホらしくなる。ならば、これからは全て千円で見てやる!


さて、映画の話。
この映画(あるいは舞台)は第二次世代の作品である。多分あの偉大作『Back to the Future』が大好きで、所々に其れが見受けられる。ただ、この映画はそれで終わることなく、その上にちゃんと自分達らしさ、新しい定義を作り出そうとしているのが共感できて素晴らしかった。

ドクが、もとい『バック〜』が言いたかったこと、それはタイムマシーンなんていうはなくて、過去も未来も当人達には存在しない。あるのは今だけ。だから後悔するな、これから先は決まってない。一生懸命生きろ、夢を持て!イエァー!!!

この映画も、途中までそういうことを言っています。

だが、大きく違う点は、タイムマシーンなんてものは物理的に存在しない。なぜならば、存在そのものが矛盾だから。という解釈で、これはある意味で『バック〜』のラストに通じるとも捉えられるが、実はそうではなく挑戦ともとれる。そしてラストでは、未来は決まってるものとしてある種の絶望を感を味あわせる。しかし、そこで終わるのではなく、じゃあ未来が決まってるなら、どうにかしてそこに滑り込めばいいじゃない!と言い放つ。つまり結果ではなく、プロセスによって結果の持つ意味合いを変えようとしているのだ。そして教授は無理だと言い放ったタイムマシーンを作ることを決意し、主人公は好きな女と結婚したいがために名字を変えようとする。
すばらしい、まさに人間。人間の醜いまでへの執着心と未来への希望。そしてタイムマシーンという言わばロマンをちゃんと最後に描いている。肯定するのでも、批判でもなく、実際やっぱり夢はみちゃうし、人間は結局諦めなようとはしないのよという事実を実に素敵に描いた作品ではないだろうか。