『東京タワー 監督:どうでもいい』

shinka2005-02-10

バイト終わりに映画でも見に行こうと思い、Hepのほうへ。前々から『レイク・サイド・マーダーケース』を見たいと思っていたので、その劇場に行く。劇場に着くと時刻はすでに上映時間、しかもこの日、この時間が最終上映である。しかし、チケット売り場でには人だかりが出来ていた。多分、みんな『オペラ座の怪人』の野郎だと思うけど、その列に並んでチケットを買っていたら間違いなく、ファーストシーンは見逃す。お前ら開始まで三十分以上もあるんだから俺を優先させろよ!とも言えず、そそくさと諦める。それで諦めた結果、俺が選んだのが『東京タワー』はんっ。一人だよ、もちろん。ていうか之ほど一人で見に行って後悔したものはなかった。この映画もこの日最終上映で、しかも時間の関係でレイトショーしか見れなかった。従って客席は超満席、しかもカップル・OLばっか。浮くわ浮くわ。視線が痛い。まぁいいけど、映画のおもしろさが同席する客に作用される部分があるというのは、悲しいが事実らしい。

さて、肝心な映画だが、初めてスクリーンを切り刻んでやりたい気持ちになった。
一言言っておこう。確かに“恋はするもんじゃなく、落ちるものだ。”かもしれない。
でも、この“東京タワーは甘いラブストリーじゃなく、コメディだ。”
見ている最中終始ずーと違和感を拭えなかった。多分カット割が変なためだと思う。被写体を正面から捕らえるカット割りが多く、そのため役者がほとんどカメラ目線になってしまう。また役者が二人いたりするシーンもその二人とまたバックの建物なんかを全部写そうとするから妙に説明的だったり、被写体の気持ちを描けてなかったりする。あとタイトルになってるからしょうがないんだけど、東京タワーが三分に一回は写っていて、少々あきあき。どう考えても編集で東京タワーを後乗せしていて、そこまで必要に入れる意味はなかったと思う。話の展開で言えば、松潤×寺島しのぶの話がとても良かった。主役二人の恋よりもリアルでおもしろく、また笑える。ここだけあの甘ったるいこの映画がコメディーになって異色だが、どちらかと言えばこちらのほうが素晴らしい。それと岸谷五朗に演技がやばい。浮気をしている妻と少年を見る目、心情その表現がもう怖くて怖くてぞっとする。やっぱり凄いなぁ〜と感心してしまう。
うん、ていうか江國香織がどうにも無理だな。脚本が原作通りの台詞をつかているかどうか知らないが、それでもあの甘ったるいアホな台詞には正直うんざりやった。主人公の岡田くんで言えば、一昔前に比べて本当に演技が上手くなったけど、今回では演出のためにその魅力を押さえつけられている感じがした。とても残念である。でもやはり、松潤と岡田君のサービスショットの数々は生唾もので興奮してしまう。特に松潤が俺の期待通りに汚れてくれて物凄く素敵だった。そして加藤ローサ。もう存在しているだけでかわいい。やっぱ綺麗な男と女はええわ。
でもまぁこの映画、なんだかんだ言っても結局東京タワーだけがその存在感を十分出していて、あとは本当に屑だった。久しぶりに駄目映画といてしまいたい。