三次元の報告

今日梅田の大阪駅後側にあるJR貨物置場沿いの道を歩いていたら、妙な感覚がした。
それは道路と反対側の工事現場を隠す仮設フェンスにあった。
ここいら辺、大規模な区間整理というか都市開発が進められていて、未来には複合施設が建つらしい。
そのため現在では、以前あった道路が大きく歪められていたり、300M近く白いフェンスが立ち並んでいたりとかなり殺伐とした様子になっている。
その内部の工事を隠す為に立ち並んでいる白いフェンスの所々に、まるで車がぶつかった後の跡のような凹みが数箇所にある。
遠めから見れば、まるで事故処理が終わっていないように見えるそれも、近づいてみると柔らかい素材を使った人為的なフェイク-作り物-であることに気付かされる。
変に思って立ち止まりしげしげと見ていると隣にはピントのぼやけた街の写真と一説の文字がプリントされている。
文章は短いもので、しかしながら一貫して大阪の街について、こんな風に述べている
“大阪はかつて水都として栄えていた”・・・50M歩く
“川の水は物資を運ぶ”・・・・50M歩く
“川の波は隅々にまで広がってゆく”・・・・・といった感じに文章が歩く先に歩く先に記載されている。
そして最後の信号機近くの壁にこのオブジェとも宣伝物とも言える企画のコンセプトが明記されていた。
どうやら、あのカオス理論におけるバタフライ・エフェクトにかけて、何処かで蝶の羽ばたきがあったのならば現在とは違う未来があり、そうであるのならば大阪もまた依然として水都として栄えていたのではないだろうかと仮定し、この事業計画がその違う可能性を実現するものであると言いたいのだろう。つまりあの壁の凹みはそういったパラレル・ワールドからの影響で、今僕が歩いている所には違う時間軸上の何らかの建物や物体があって、それが壁を変形させているということだ。

・・・こんな事するんだね。たっぷり30分は路上で時間潰しができたもの。
なんか壁に書かれた強大な絵本を歩いて読んだ気分で楽しかった。