『ハチミツとクローバー』
自分一人なら見ないな。
見終わった後、無性にタバコが吸いたくて堪らなくなった。まるで蜂蜜を原液のまま飲まされた感じ。
つまりはこの作品そのものが本当に少女漫画で胸が痒くなってしまう。その点においては成功しているのか。
そのせつなさ、誰しもがかれもに片思いをし、永遠に終わることのない一方通行のベクトルを相互に出し合う。
今日、美大生がキスの一つで動揺するとは思えないが、それを“アリの世界にしているのは、やはり他ならぬ少女漫画的世界を構築できたからであろう。
しかし、感想を書いていて一向に前に進まないな。
例えば原作ファンが見に行ったとしてたら、まぁそこそこの満足感は得れるのではないのでしょうか。
出演者達はまるでパロディとしか思えないほどにキャラクターを模倣する。
あの蒼井優ですら、確実にハグちゃんを意識しているのが見える。けど、かわいいんだなこれが。
その中で、一際目立っていたのは伊勢谷である。あの難解な天才役をちゃんと自身でデフォルメして見せようと唯一思っている。だから原作好きの人には唯のチャラチャラした兄ちゃんにしか見えないかもしれない。
それにしても劇中、ハグちゃんが描く絵が凄い。
あれは実際、MAYAMAXXが描いているらしいのだが、あんなんも描けるのね。
あれは凄かった。ちょっと鳥肌ものです。
ほかに語ることも、詭弁を振るうこともなし。以上。
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/08/19
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