『SURVIVE STYLE 5+ 脚本/多田琢 監督/関口現』

shinka2004-09-30

これがニホンエイガなのだろう。
テレビ会社や広告代理店などが日本の映画業界を牛耳っている昨今、元来の映画という存在は消え失せ、TV・CMとなんら変わりのない映像が映画となっている。そんな中、本作はかの映画を撮ろうとも、その映像を撮ろうともしておらず、言うなれば映像をより映像として映画としていた。作中、自分達の仕事であるCMプランナーを登場させ、非難と葛藤を演じさせながらも最後に“アホらしい”という言葉でかっこつけたり、いくつもの話が交差するという在りがちな構成にでも最後まで強引に話をくっつける様は賞賛に値する。彼らは自分達の現状、日本映画が置かれている状況を良く理解している。その上で“でも、それでも僕らのエイガはこうなんです!”と胸をはり全力で飛ばしてくる。私は、これからのニホンエイガはこういう形なんだと提示する彼らの姿勢と、本作のラストシーンを多少の疑問と強引さを感じながらも、劇場で拍手を送った。